【カナダ文化】意外と気になる?カナダ多い苗字ランキング
【Do You Know The Most Common Last Name In Canada?】
突然ですが、皆さんはカナダで最も多い苗字は何か知っていますか?
日本とは違い、カナダで初対面で自分の名前を伝える場合は、だいたいファースト・ネームなので意外と友達の苗字は知らないなんてこともあります。日本では相手の苗字を知っておくこと、さらに地域別にどんな苗字が多いのか、苗字ランキングなども一般的に目にすることが多いです。それではカナダの場合はどうなのでしょうか?
今回はそんなカナダで多い苗字ランキングや州別に多い苗字についても紹介していきます!ぜひカナダ文化を知る一環として最後まで読んでみてください。
目次
カナダで最も多い苗字第1位は?
さて、まずはカナダ国内で最も多い苗字を発表します!
カナダで一番多い苗字は、、、”Smith”(スミス)です!
なんとカナダの人口で換算すると、約190人に1人はSmithという苗字の人がいるとのこと。さらに、州別に見ても13ある州と準州のうち、7つの州と準州でSmithが最も多い苗字です。
“Smith”というのは古英語で「職人」、特に「鍛冶職人」「金銀細工職人」などの職業名から来ています。もともとはイギリスなどのヨーロッパで多かった苗字ですが、ヨーロッパからの多くの移民がアメリカをはじめ、カナダに移り住み、現在では北米に最も多い名字となっています。
ちなみにカナダの苗字ランキングの2〜10位は以下のようになっています。
- 2. Brown(ブラウン)…髪の毛の色の「茶色=ブラウン」が由来
- 3. Tremblay(トレンブレイ)…フランス語圏で多い苗字で特にケベックなどのカナダのフランス語圏で多い
- 4. Martin(マーティン)…ラテン語の”Martinus(マルティヌス)”から派生。苗字でも、男性のファースト・ネームとしても使われる
- 5. Roy(ロイ)…ゲール語(ケルト語派)の「赤」を意味する
- 6. Gagnon(ギャグノン)…古フランス語の「マスチフ犬」「番犬」や喧嘩強い男性のニックネームだったものから苗字に
- 7. Lee(リー)…中国語やベトナム語、朝鮮語の「李」が由来。また古英語の”Leah”「草地」から来ている場合も
- 8. Willson(ウィルソン)…”William”(ウィリアム)の”son”「息子」が由来
- 9. Johnson(ジョンソン)…”John”(ジョン)の”son”「息子」が由来
- 10. MacDonald(マクドナルド)…”Donald”(ドナルド)の”Mac”「息子」が由来
1つ目が家族の共通の名前ということから“family name”(ファミリー・ネーム)。
2つ目は“last name”(ラスト・ネーム)、これは「名前」”first name”(ファースト・ネーム)や”middle name”(ミドル・ネーム)に対応。
さらに“surname”(サーネーム)は少しフォーマルな言い方として「苗字」と言い表せます。基本的には”family name”や”last name”を使う人が多いです。
カナダ州別の苗字ランキング
ここからは州別に多い苗字ランキングを紹介していきます!興味深いところは、冒頭でも書いたように半数以上の州で”Smith”が多いのは確かなのですが、それ以外の苗字がその地域ならではだったり、さらに英語とフランス語の2つが公用語であるカナダならではで、英語圏を主に使う地域では似たようなランキングでも、フランス語圏では全く違う苗字がランキングに入ってくることです。
では早速見ていきましょう!
オンタリオ州
Ranking
- Smith(スミス)
- Brown(ブラウン)
- Wilson(ウィルソン)
- Lee(リー)
- Martin(マーティン)
州別に見ると、オンタリオ州にカナダのSmith姓の約46%がいます。ちなみに、他のBrownはカナダ全体でも2番目に多い苗字、Wilsonは8番目、Leeは7番目、Martinは4番目につけています。
様々な人種やバックグラウンドの人々が集まるトロントを含むオンタリオ州では中国系または韓国系の”Lee”という苗字も多いです。
ブリティッシュコロンビア州
Ranking
- Smith(スミス)
- Lee(リー)
- Wang(ワン)
- Johnson(ジョンソン)
- Brown(ブラウン)
ブリティッシュコロンビア州でもSmithが最も多いです。さらに、バンクーバーを含むメトロ・バンクーバーエリアには多くの中国系、韓国系のバックグラウンドを持つ人や移民の方が多いため、Leeが2番目、3番目には同じく中国系の「王」”Wang”が多くなっています。
ケベック州
Ranking
- Tremblay(トレンブレイ)
- Gagnon(ギャグノン)
- Roy(ロイ)
- Cote(コート)
- Gauthier(ゴーティエ)
オンタリオやブリティッシュコロンビアに比べて、フランス語圏のケベック州ではランキングが全く異なるのが特徴的です。
カナダ全体のランキングでSmith、Brownに続く3位に入っていたTremblay、5位、6位にランクインしたGagnon、Royがケベック州での苗字ランキング上位3位を占めます。古フランス語で「坂や河岸に住む人」の名前としてCote、ゲルマン民族由来のフランス語からのGauthierがケベック州での4番目、5番目に多い苗字となっています。
アルバータ州
Ranking
- Smith(スミス)
- Johnson(ジョンソン)
- Anderson(アンダーソン)
- Brown(ブラウン)
- Wilson(ウィルソン)
カルガリーを州都とするアルバータ州では、オンタリオ、ブリティッシュコロンビア州同様にSmithが最も多く、Brownが4位、それ以外にJohnson、Wilson、Anderson(”Andrew”(アンドリュー)の”son”「息子」が由来)と末尾に”son”が付く苗字が多いようです。
マニトバ州
Ranking
- Friesen(フリーセン)
- Wiebe(ウィービー)
- Klassen(クラッセン)
- Penner(ペナー)
マニトバ州の苗字ランキングはなぜか第5位に来る苗字がなかったので、4位までのランキングになっています。ケベック州とは違い、英語圏なのですが、これまで紹介したオンタリオ、ブリティッシュコロンビア、アルバータ州のランキングとも顔ぶれが全く異なります。
オランダ北部のFriesland(フリースランド)という地名が由来とされるFriesenが最も多い苗字です。さらに同じくフリースランド由来の「バトル」「戦い」に関連する言葉から来たWiebeやドイツのウェストファリアという地域から来たと言われるKlassen、イギリスやアイルランド系でアングロサクソン文化の中で生活する人々の名前だったPennerなどドイツ語系やイギリス、アイルランドなどのヨーロッパに起源を持つ苗字が多いです。
サスカチュワン州
Ranking
- Smith(スミス)
- Johnson(ジョンソン)
- Anderson(アンダーソン)
- Brown(ブラウン)
- Miller(ミラー)
サスカチュワン州では、オンタリオやブリティッシュコロンビア、アルバータ州のランキングで既出したSmith、Johnson、Anderson、Brownが順に並んでいます。そして第5位にはMillerという「製粉、粉挽き職人」などの職業が由来の苗字がランクインしています。
ニュー・ブランズウィック州
Ranking
- Leblanc(ルブラン)
- Cormier(コーミエ)
- Richard(リチャード)
- Robichaud(ロビショー)
- Smith(スミス)
ケベック州よりも東に位置するニュー・ブランズウィック州はカナダで唯一の英語とフランス語の両方が公用語とされている州です。そのため、ランキングにもフランス語圏の苗字と英語圏の苗字が混ざっています。
フランス語圏の苗字でblanc「白」を意味するLeblancが最も多い苗字です。Cormierはフランス語で「食用の実のなる木の近くに住む人」を指すことが由来、ゲルマン語由来のRichard、フランス語圏の苗字Robichaudが1〜4位、Smithが5番目に多くなっています。
ノヴァスコシア州
Ranking
- MacDonald(マクドナルド)
- Smith(スミス)
- Brown(ブラウン)
- Leblanc(ルブラン)
- MacNeil(マクニール)
ニュー・ブランズウィック州の東隣にあるノヴァスコシア州は英語が公用語で、州名はラテン語で「新たなスコットランド」という意味があり、スコットランド系の民族が多いです。
既出の英語圏の苗字やフランス語圏にも近いことからフランス語由来の苗字も多いです。5番目のMacNeilはゲール語(ケルト語派)が起源の地名に関する苗字で”Neil”(ニール)の”Mac”「息子」が由来となっています。
プリンスエドワードアイランド州
Ranking
- MacDonald(マクドナルド)
- Gallant(ガラント)
- Arsenault(アーセナル)
- Campbell(キャンベル)
- Smith(スミス)
ノヴァスコシア州の北に位置し、カナダで面積・人口共に最も規模が小さいプリンスエドワードアイランド州。最も多いのはMacDonald、Smithは5番目に多いです。
2〜3位には、フランス語由来のGallant、同じくフランス語由来で「銃砲工」などの職業から来たArsenault、スコットランド系の名前Campbellの順に多いです。
ニューファンドランド・ラブラドール州
Ranking
- Power(パワー)
- Smith(スミス)
- White(ホワイト)
- Parsons(パーソンズ)
- Walsh(ウォルシュ)
ケベック州の北側に接するニューファンドランド・ラブラドール州で最も多い苗字はPowerです。イギリス・アイルランド系の苗字です。また3番目にはBrown同様、「白」という色からきたWhite、「牧師」という職業名が由来のParsonsが4番目、アイルランド系の苗字Walshが続きます。
ユーコン準州
Ranking
- Smith(スミス)
- Johnson(ジョンソン)
- Anderson(アンダーソン)
- Brown(ブラウン)
- Taylor(テイラー)
オーロラが見れることで有名なユーコン州。1〜4位は既出のSmith、Johnson、Anderson、Brownが多いです。5番目に多いのが、これも苗字にも名前にも使われるTaylorがランキングに入りました。
ノースウェスト準州
Ranking
- Smith(スミス)
- Brown(ブラウン)
- Lafferty(ラファティ)
- MacDonald(マクドナルド)
- McLeod(マクレオド)
ユーコン州の東側に位置するノースウェスト準州。トップ2はSmithとBrown、4番目にMacDonaldが多いです。2番目に多いのは初出でアイルランド系のLafferty、5番目に多いのはゲール語(ケルト語派)由来のMcLeodです。
ヌナブト準州
Ranking
- Smith(スミス)
- Kilabuk
- Gibbons(ギボンズ)
- Nakoolak(ナクラク)
- Putulik
ヌナブト準州はカナダで最大のイヌイット生活圏とされており、基本法では英語、フランス語の他にイヌクティトゥット語、イヌイナクトゥン語も公用語と定められています。そのため、Smithが最も多いですが、2番目以降の苗字は他の州ではあまり聞き慣れないイヌイットの文化にまつわる苗字が続いています。
まとめ
Most common surnames in each of Canada’s provinces and territories from MapPorn
いかがでしたか?日本とは違い、カナダではあまり相手の苗字を聞くことがないので、聞き慣れない苗字もたくさんあったと思います。各州ごとに苗字ランキングを見ることでその州の地域色が見れるのも面白いと思います。皆さんがカナダにより興味を持つきっかけの記事になったら嬉しいです!