学校、仕事

カナダでCo-opプログラム~オフィスレセプションの仕事を始めるまで②

【What I learnt Through Co-op Program and Process Until I Got a Job】

前回の記事では「その①:Co-opプログラム概要と費用とCo-op Work Permit申請方法」について書きました。今回は、第2弾Co-opプログラムの授業内容や就労開始までのプロセスを詳しく紹介します。

(前回の記事はこちら:「カナダでCo-opプログラム~オフィスレセプションの仕事を始めるまで①」)

目次

Co-opプログラムで受けた授業や時間割は?

前回の記事でも書きましたが、私がカレッジでとっていたコースはBusiness Management(ビジネスマネジメント)で、6か月間の授業と6か月間のCo-op就労の計1年間のプログラムでした。

1セメスター(学期)が3か月(12週)だったので、1セメスターで5科目、2セメスターで5科目の計10科目を履修しました。

履修科目

1セメスター(2018年10月~12月)

  • Accounting 1(会計学1)
  • Marketing 1 (マーケティング学1)
  • Economics (経済学)
  • Business Law (ビジネス法学)
  • Business Communications (ビジネスコミュニケーションズ)※選択科目

2セメスター(2019年1月~3月)

  • Speaking and Presentation (会話とプレゼンテーション)
  • Operations Management (運営(業務)管理学)
  • Human Resource Management 1 (人材管理学1)
  • Business Math (ビジネス数学)
  • eCommerce 1 (電子商取引学1)※選択科目

*科目によって1セメスターで完結型と「1」と「2」に分かれ、1を取り終わったら2も取れる仕組みでした。私のコースは6か月という短い授業期間なので2までは取れなかったです。

各科目の授業内容

Accounting 1(会計学1)

会計学では経理の基本を学びます。簿記のJournal Entries(ジャーナルエントリー):仕分記入のやり方からBalance Sheet(バランスシート):貸借対照表、Income Statement(インカムステイトメント):損益計算書などの基本財務諸表を準備するまでの会計システムの一連の流れを勉強します。

Marketing 1 (マーケティング学1)
マーケティング学では、まずマーケティングの基礎知識を学びます。ビジネスを円滑に行うためにはどのような手段で、どのような観点から市場を分析推測するべきかや、マーケティングの歴史的変遷などを理解していきます。

Economics (経済学)
経済学には、大きく分けてマクロ経済とミクロ経済がありますが、この授業ではマクロ経済をメインに学びます。国民所得、インフレ、失業率、GDP(国内総生産)、貿易収支などの一国における指数や量をマクロ経済変数の変化や決定に基づいて分析します。

Business Communications (ビジネスコミュニケーションズ)
ビジネスコミュニケーションズでは、クラスメイトとともに、ビジネスシーンをテーマに各国での働き方の違いや、カナダでのビジネス文化などについてディスカッションをしたり、グループや個人でのプレゼンテーションを通じて、ビジネス場面で役立つコミュニケーションスキルの向上を目指します。

Business Law (ビジネス法学)
ビジネス法学では、カナダでのビジネスを行う上での法律の原則を学びます。テキストで取り上げられている実際のビジネス法律に関するケースを読み、グループやクラスでディスカッションも行います。

Operations Management (運営(業務)管理学)
運営管理学では、日本ではあまり聞きなれないオペレーションズマネジャーの役割について学びます。主に、商品やサービスが導入されたその後の持続的な運用を保つために、商品・サービスの生産から流通までの流れを計画、管理するために仕入れや流通、品質管理、顧客からのフィードバックなどを勉強します。

Human Resource Management 1 (人材管理学1)
人材管理学では、人事部の役割、責任について学びます。人材を新たに確保する計画から、雇用、育成、アフターフォローや社内間のトラブル解決などの業務について勉強します。

Business Math (ビジネス数学)
ビジネス数学では、Scientific Calculator(関数電卓)を使用し、ビジネスでの商品発注やマーケットのニーズ、需要と供給に応じた価格設定損益などの計算方法を学びます。

※以下2科目は他Business Computers 1と2を含む4科目からの選択でした。
eCommerce 1 (電子商取引学1)
電子商取引学では、ITを使ったオンラインビジネスの仕組みやその基礎について学びます。商品・サービスに応じたオンラインでの取り扱い方、取引方法を勉強します。

Speaking and Presentation (会話とプレゼンテーション)
会話とプレゼンテーションでは、ビジネスコミュニケーションと似ているように感じますが、ビジネスシーンでのスピーチやプレゼンテーションスキルの向上により重点を置き、学びます。コース内で複数回、時事問題や自国の課題・問題についてなど込み入ったトピックでも個人プレゼンテーションを行います。


10科目の中で、最も興味深かったのは、会計学マーケティング学です!もともと会計学、簿記には興味があり、カレッジの授業の準備のために日本で日本語の簿記のテキストを買って読んでいましたが、用語が漢字の日本語名や英語名が併記して書かれていてややこしいのと、漢字ばかりの字面に全然理解できていませんでした。

けれど、カレッジで受けた授業は先生の腕もよく、とても分かりやすく説明してくれ、英語で学んだ方が理解しやすいほどでした。

マーケティングも、販売促進のためにどのようにターゲットを絞り、効果的に顧客のニーズに応え、引き寄せるかなど興味深い内容でした。

逆に、難しい・分かりにくいと感じたのは、経済学ビジネス法学でした。経済学は講義自体はなんとか理解できていたのですが、その基礎を学んでから、先生がその基礎に関する問題を出すと、途端にどれをどのように問題に当てはめればいいのかちんぷんかんぷんでした。。

ビジネス法学はそもそも法律がややこしく、かつ講義はパワーポイントでひたすら専門用語やその定義が読み上げられていく形式で付いていくのも大変でした。

時間割

1セメスター5科目で1日に2科目とることもあったので、1週間のうちカレッジに行くのは3~4日でした。毎日授業があることはなかったです。

そして基本的に授業1コマは4時間で午後に授業があるスケジュールが多かったです。(もちろん授業内で先生たちの判断で5~30分の休憩を何回か挟みます。)
ここでは1セメスターの時の時間割を参考に載せます。

MONDAY : OFF
TUESDAY : 13:30~17:30 Economics
WEDNESDAY: 15:00~17:00 Business Communications, 18:00~22:00 Business Law
THURSDAY : 17:30~21:30 Marketing
FRIDAY : 9:30~13:30 Accounting, 15:00~17:00 Business Communications
(※Business Communicationsは週2で各コマ2時間ずつでした。)

このように夕方から夜にかけての授業もありました。なのでお昼は家で食べて、夜ご飯用にお弁当を持っていき、授業の休憩時間に食べていました。

Co-opプログラムにおける仕事探し前に準備したことは?

次に授業コースをすべて終えて、いよいよCo-op就労を始める前に準備したことについて紹介します。

「カレッジサポートで準備したこと」「自分で準備したこと」の2つの観点で書きだしたいと思います。

  • 「カレッジサポートで準備したこと」
    • レジュメ、カバーレターの書き方、ポイント・コツを知る。
    • レジュメ、カバーレターを添削してもらい、修正する。
    • 面接の練習をする。
    • 興味のある業種、ポジションごとに自分の強みや弱み、目標などを洗い出す。
    • 求人紹介メールを受け取り、チェックする。
  • 「自分で準備したこと」
    • Indeedなどの求人サイトで求人を見る。
    • ジョブフェアーに参加する。
    • スーツ(セミフォーマルなもの)を揃える。
    • コネを作る、情報がないかコネを頼ってみる。

カレッジでは、レジュメやカバーレターの書き方のコツを習ったり、実際の自分のレジュメやカバーレターを添削してもらう機会がビジネスコミュニケーションズや会話とプレゼンテーションの授業に含まれていました。

面接練習は授業内というよりも、中間テストや最終テストの課題になっており、自分が志望する業種、ポジションを仮定して、先生が面接官をやってくれます。

求人紹介メールに関しては、カレッジやプログラムによって違うと思いますが、私のカレッジはCo-op提携している企業はなく、紹介リストなどがあるわけではないですが、以前の生徒がCo-opをした企業から、また求人募集が来れば、現生徒たちに情報を流してくれるという程度でした。


自分で準備したことでは、ごく普通のことですが、求人サイトを見ながら、自分がやりたい業種・ポジションの仕事でCo-opのプログラムで受け入れてくれそうか下見しました。

ジョブフェアー情報はカレッジからのものや自分で”Job Fair, Vancouver”などのキーワードで調べていました。ジョブフェアーは一度にいろんな企業の担当者と話せるので効率的です。しかし、難点は自分の希望のポジションの募集はなかったり、Co-op学生限定ではないので、Co-opなどの短期間の採用は考えていない企業が多いです。

3つ目も基本中の基本のことですが、私は日本からスーツを持ってきていなかったので(渡航前はCo-opプログラムのカレッジに行く予定ではなかった)現地で調達しました。カナダでは就活生のようなリクルートスーツを着ている人をあまり見かけないので、もう少しカジュアル目なものでいいと思います。なのでユニクロやH&Mでも買いそろえることができます。

コネを使う」というのは日本ではあまり一般的ではないですが、カナダでは友達の友達の会社でのネット非公開の求人情報だったり、紹介などで仕事が見つかるケースもよくあるそうです。なのでコネが多くある分には越したことがないので、カレッジでも先生や友達に仕事探し中ということをアピールしておきます。またビジネス系のミートアップなどの学校以外の新しいコミュニティもあるとチャンスに巡り合いやすいかもしれません。


Co-opプログラムの仕事探しで大変だったことは?

このように準備をした上で仕事探しに臨みましたが、仕事を見つけるまでに大変だったことがいろいろあったので、これを読んで参考にしてみてください。

“Co-op”と言うと門前払い

Co-op学生をターゲットとした求人は圧倒的に少ないので、普通のオフィス求人に応募して、面接などで直接Co-opでも採用できるか聞いてみたりするしかなく、“Co-op”のため期間が限定されると話すと、それじゃ雇えない、となるケースがほとんどでした。

競争相手は現地大学・カレッジ生

まれにCo-op学生向けの求人があっても、もちろん留学生のみならず、現地大学・カレッジに通うカナダ人生徒たちも応募するので、英語での対話スキルの面では太刀打ちが難しいです。彼らにない留学生ならではの経験や知識などアピールできることがあると強いと思います。

職歴、関連職種での経験がないと面接チャンスが少ない

Co-opプログラムのような短期求人を探すには、産休・育休の穴を埋める求人にも目をつけるべし!とカレッジからアドバイスがありましたが、短期の求人は比較的即戦力を求められるので、過去に同職種での勤務経験があるかが条件になっています。そのため、オフィスでの職歴がない学生だと、レジュメを見た時点で除外されてしまう可能性が高く、なかなか面接に進むチャンスさえもつかむのが大変です。

まとめ

Co-op記事第2弾では、Co-opプログラムの履修科目や詳しい授業内容、スケジュール、仕事探し前の準備やCo-op就労までの大変なことについて紹介しました。次回は、Co-op仕事探しの面接内容や私が経験した仕事内容について書いていきます!

続きの記事はこちら。

カナダでCo-opプログラム~オフィスレセプションの仕事を始めるまで③